2022-07

第1章

第2節 像を見ることはできない

前節で、実物世界は内省した途端に私秘的な像として振る舞うが、この像は実物世界の内在的原因であるということを考察しました。 しかし、普段の私たちはそのように捉えていません。像は外在的であり、今まさに自分の目の前にあるものだと考えています。 こ...
第1章

第3節 認識単独の像

これまで、実物世界は内省すれば像であるということを見てきました。しかし、もちろんそれだけでは不十分です。なぜなら、実物世界は単なる色の広がりではなく、形や奥行きを持っているからです。さらには、自分では見ることのできない背後の物も自分が見てい...
第1章

第4節 他者の像

視覚の話の中で、「私に見えている色が他の人に見えている色と同じであるかどうかを確かめる術はない」と言われることがあります。これは、つまり他者には他者の視覚が存在すると考えられているということです。 しかし、この前提は正しいでしょうか。 他者...